「ウゴルスキ」を聴いて−少ないYoutube!

ウゴルスキ」の名前を初めて聞いたのは、「ディアベッリの主題による33の変奏曲」。(そりゃそうだ!)CDを聴いて、この曲の面白さを初めて知ったのだ。(「ブレンデル」のCDでしか聴いたことがなかった)日本でも彼の名が知れ渡ったのはこのデビュー盤。

ディアベッリ変奏曲ハ長調

ディアベッリ変奏曲ハ長調

その後、「メシアン」の「鳥のカタログ」を録音した時にも驚いた
(これだけ丁寧な解説がついたのは日本で初めてでしょう、野鳥図鑑かと間違うほどだ)。
メシアン:鳥のカタログ

メシアン:鳥のカタログ

もっとも感心しない録音も、ままある。
今回この記事を書いているのは、偶々Youtubeで下記の動画をみたからだ。

ウゴルスキって、こんな曲も弾くんだなぁと、新鮮だったのだ。
でも、天才であるのには間違いない。鬼才ではない。
(鬼才といえば「アフェナシエフ」は、ウゴルスキより有名になってしまった!)

とにかく、一流なのに廃盤の嵐。彼のCDの数々を買っておいてよかったと本当に思う。
(彼の経歴については、もういいでしょう。充分紹介されていると思う)。

彼のCDで意外だったのが「シューベルト」の「幻想曲/さすらい人」。これのライナーノートにこうある。

この曲は彼がまだそれを弾ける段階に至っていない時期に、教師から止められたのに「自分から進んで」難技巧の音楽に挑んだ思い出深い曲なのである。それは1960年代はじめの、彼がレニングラード音楽院の学生だった頃のことである。
「過去に最も私の心をとらえた曲は、シューベルトの《さすらい人》幻想曲です。この曲は厳格な規律と共に、説明のできない自由さを表しています。最終の試験に合格したのちに以前の先生に逢うと、教授は”ああ、さすらい人!”と私に呼び掛けたものです。」

ウゴルスキ

でも、この曲には、ポリーニリヒテルをはじめ、そうそうたる先輩の録音があるから、果たしてベストか?と言われれば???

シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集

シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集

後は、「スクリャービン」のCD(ブーレーズ指揮)が、また意表を突いていて、これは推薦!
スクリャービン / 交響曲 第4番 作品54「法悦の詩」

スクリャービン / 交響曲 第4番 作品54「法悦の詩」

最後に少ない彼のYoutubeのパート2をUPして終える。

P.S.ブーレーズと言えば、最近こんなCDを入手しました。
http://musique.fnac.com/a1106586/Antoine-Bonnet-Epitaphe-Rayon-de-nuit-Terre-habitable-CD-album
ジュリアン・グラック」の散文に曲想を得たらしいけど、散文て「シルトの岸辺」じゃないのか?