「チャールズ・アイヴズ」のピアノ曲−難解なのか?

以前からある変なCDを再聴して、「この人は一体なんだろう?」との疑念が深まった。

詳細はhttp://www.amazon.com/A-Portrait-of-Charles-Ives/dp/B00000DNRD/ref=sr_1_3?ie=UTF8&s=music&qid=1227390435&sr=8-3
『チャールズ・アイヴズ』の発言をまず引用しよう。

「芸術分離論」―つまり芸術は生活ではない、が生活の反響であり、芸術は生活の命ではないが生活は芸術の命である―は我々を助けはしない。ソーロウもまたそうで、「生活は芸術である」といったのではなく「生活はある一つの芸術である」といった。もちろん、これは古い考え方よりはましだ。

アイブスは、生活と芸術が切り離された音楽を「作り物の芸術」と感じ、真の美しさとは生活の中に溢れているサウンドのような、無秩序の中に自然と立ち現れてくるような秩序でなければならないと考えたのだろう。だからこそ、自作において140曲もの米の俗謡を引用したのではないか?

There is a great man living in this country – a composer. He has solved the problem how to preserve one's self and to learn. He responds to negligence by contempt. He is not forced to accept praise or blame. His name is Ives.
A.シェーンベルクの日記より Charles Ives - Wikipedia

アイブスは今や、ヨーロッパの様式によらない「真のアメリカ音楽」を書いたアメリカで最初の作曲家として全米的な尊敬を集めている。
「四つの交響曲」や「答えのない質問」等の作品は頻繁に演奏されるし、その評価は高まるばかりである。現代音楽は、シェーンベルクによる調性の崩壊以降「作曲家自身の新たな音楽統一の理論を考え出さねばならない羽目になった。」当然ながら、わけのわからない現代音楽というのと、統一のとれてない現代音楽作品というのは違う。
ただ、このCDだけを聴く限り、『チャールズ・アイヴズ』というのは解釈に苦しむ作曲家であるのは間違いない。

選んだCDが悪いのかもしれないのでもう1枚、手元にあるCDも紹介する。

Ives;Piano Pieces

Ives;Piano Pieces

このCDに入っている作品「Three Quater-tone pieces for Two Pianos」の動画を紹介。

やはり、”無数の引用”と無調性と不可思議なリズムの揺れ。けして良い作品とは思えない。こういうのを”ありがたい前衛曲”と拝聴し、神棚に上げるような行為には絶対反対だ!
結局自分には『チャールズ・アイヴズ』のピアノ曲作品は鑑賞不能に終わるのか?
一曲だけ、有名過ぎるが、『ピアノソナタ第2番』*1から第二楽章”ホーソン”をおなじみ「アムラン」の演奏で紹介して終わる。
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これはいい!

P.S.消化不良気味の記事ですいません。

*1:。「この作品は、マサチューセッツ州コンコードで半世紀以上前に興った超越主義運動の印象を描いたものです。この作品は、エマーソン、ソローの印象派風の絵画であり、オルコットのスケッチであり、スケルツォホーソーンの奇想天外な性格を見事な描写になっていると断言できます。」とアイヴスは自画自賛している。