「チャック・パラニューク」
美しき友あり 鹿の腸なせり
魅惑的な句だが、引用したのは別の理由から。
この句の作者と本(題名)が思い出せないので、探そうにも手段がない。(確か神保町の地方出版物を扱っていた書店に注文したハズ)。
以下、「チャック・パラニューク」について書こうと思うのだが、肝心?の「ファイト・クラブ」を読んでいない。映画の「ファイト・クラブ」の印象が悪すぎて、原作を買う気などしなかった。
今更ながらと文庫版の「ファイト・クラブ」をここ数日探すも、どこにも売っていない。(洋書コーナーにも何故か「ファイト・クラブ」だけなかった)。
上記の句が書かれた本と同様に見つからないのだ。
よって、「ファイト・クラブ」抜きの「チャック・パラニューク」についてのみ書く。
が、ここで小説(文学でもよいが)についての書き方が分からない。
そうですね。「謎」というものの周囲をめぐって小説を書くと、徹底して通俗的になるのだと思いますね。
(中略)
村上春樹の小説は「謎」をめぐって書かれているわけで、もちろん、他の小説家でも思わせぶりな「謎」をめぐって書く人は多いですよね。いちいち名前はあげませんけれど。「謎」を思わせぶりに書くのは小説の退嬰ですね。
「小説論」金井美恵子著より抜粋
小説論 読まれなくなった小説のために (朝日文庫 か 30-3)
- 作者: 金井美恵子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/04/04
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 45回
- この商品を含むブログ (54件) を見る
ここで「金井美恵子」氏を引用したのは、”ストーリー紹介を兼ねての感想”を書いてもよいかな?との思惑から。
- 「サバイバー」
- 作者: チャックパラニューク,Chuck Palahniuk,池田真紀子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/02/01
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 49回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
主人公の”テンダー・ブランソン”は、実はある新興宗教クリード教団で生まれ育っているのだが、この教団では、成人になると、外の世界に奉公に出かけその報酬を教団に送金する。しかし、グリード教団は、ある日、官憲の捜査の手が入ると、集団自殺してしまう。残されたのは奉公に出ていた者だけだが、それも次々と自殺していく。当初は教団の教え通りに自殺しているのだと思われたのだが、残された元信者の数が減るにしたがって、それが”テンダー・ブランソン”の兄、”アダム・ブランソン”による他殺と判明しはじめる。一方”テンダー・ブランソン”は、非人道的な教団の”唯一の生き残り”として、ある敏腕エージェントにより、カリスマ化され、巨大ビジネスの象徴として、全米に知れ渡り、熱狂的な支持を得る・・・。
とここまで書いたが、虚しくなる。無駄な作業だ(面倒だということもある)。
そこで、作品だけ紹介する。
- 「ララバイ」
聞かせるだけで、人を殺せる”間引きの歌”が載っている”世界の詩と歌”という本を巡り、アメリカ中を旅するお話。
- 作者: チャック・パラニューク,池田真紀子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/03/24
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (34件) を見る
- 「チョーク」
セックス依存症の主人公が、”ある演技”*3しながら、認知症の実母を介護していくお話。
- 作者: チャック・パラニューク,池田真紀子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/02/26
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 22回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
事故で、顔面が崩壊した女性のお話(刺激的という点では、これが一番?)。
- 作者: チャックパラニューク,Chuck Palahniuk,池田真紀子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/05
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 18回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
洋書も一応紹介(購入したが、読んでいない)。
- 作者: Chuck Palahniuk
- 出版社/メーカー: Anchor
- 発売日: 2004/09/14
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- 作者: Chuck Palahniuk
- 出版社/メーカー: Doubleday
- 発売日: 2005/05/17
- メディア: ハードカバー
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
Rant: The Oral Biography of Buster Casey
- 作者: Chuck Palahniuk
- 出版社/メーカー: Anchor
- 発売日: 2008/05/06
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: Chuck Palahniuk
- 出版社/メーカー: Jonathan Cape
- 発売日: 2009/06/01
- メディア: ハードカバー
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
さて、ここまで書いて、自分が「チャック・パラニューク」を紹介した理由を書こう(これがこの文章を書いた動機だ!)。
自分は彼がゲイだと知って、興味をもち、邦訳三作品を丁寧にゲイサイドから読んだ。
結論からいえば、作者がゲイだという事実は、作品のどこにも全く影響していないし、むしろ”ストレートの小説家”とさえ思える。
Is he married?
No, but he has been in a long term, committed relationship for over a decade.
Frequently Asked Questions About Chuck Palahniuk | The Cultより
オフィシャルHPの上記の質問の答えもシンプルだ、多くは語らずというところだろう。
というより、
もはや作家がゲイだろうと珍しくもないし、彼の作品から”ゲイテイスト”を読み取ろうとするなら愚かな行為だ!
最後に参照:Chuck Palahniuk - Wikipedia
興味がある人はここから探して。
以上、私事で、ブログを書く時間が取れなかったので、お粗末すぎる内容でした。
いつもなら、ここでYoutubeを紹介して、お茶を濁すところだが、「ファイト・クラブ」はみたくないし、色々さがして、こんなのをオマケに。
*4
P.S.映画の「ファイト・クラブ」をみて落胆した自分は、間違っているんでしょうか?