文学

エミリー・ディキンソンについての小さなメモ−死人を起こすな!

エミリー・ディキンソンに、特別な思い入れは無い。 ただ、気にかかる事があったので取り上げてみたい。対訳 ディキンソン詩集―アメリカ詩人選〈3〉 (岩波文庫)作者: エミリーディキンソン,亀井俊介出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1998/11/16メディア: 文…

「ゲイ文学は、いまや存在しない!」−

愛聴CDのみを収めたCDケースが見つからない。 朝から探しているのだが、無い!どこにも無い!決して持ち歩かず、自室においてあるのに。 必死になって探しまくるも、無い。 猫の図書館(分室を含め)全部探し、約一年くらい足を踏み入れて居ない部屋も、…

「チャック・パラニューク」

美しき友あり 鹿の腸なせり 魅惑的な句だが、引用したのは別の理由から。 この句の作者と本(題名)が思い出せないので、探そうにも手段がない。(確か神保町の地方出版物を扱っていた書店に注文したハズ)。 以下、「チャック・パラニューク」について書こうと…

石川淳の「佳人」の紹介

小説を書くことなどとても出来ないと痛感させられたのは、石川淳のデビュー作『佳人』を読んでから。 下記にその作品の”冒頭”を引用する。 わたしは……ある老女のことから書きはじめるつもりでゐたのだが、いざとなると老女の姿が前面に浮んで来る代りに、わ…

A Happy New Ear!−微熱に浮かされて−「フランシス・ポンジュ」

「フランシス・ポンジュ」は読まれなくなった詩人の一人だろう。 前回(いつだ?)に引き続き、詩を引用する。(詩はブログに適していると思う)。 ファウナは動くが、フローラは目の動きに従って広がる。 生きている者たちのまるまる一揃いが、地面によって…

カフカの日記を読んで−クルタークのCDを聴く

「カフカを焚刑に処すべきか?」というセンセーショナルな特集が、戦後間もない頃に共産系の週刊誌に組まれたと知り、多少驚くも、その答えはすでに作者が用意していたなと考えた。 彼は、自分の作品を焚刑に処したいという欲望にかられながら生き続けたし、…

石川淳と三島由紀夫−タオイストと芸術家の対話

以下の記事は『石川淳』との対談集の抜粋を中心に書く。 (よってあくまでも「石川淳」と「三島由紀夫」の対談を通して、別の側面からの”三島像”を浮かび上がらせようという主旨です。) 三島由紀夫といえば、自分にとっては、『禁色』と『仮面の告白』だけ…

埴谷雄高の『闇のなかの黒い馬』

本当は、三島由紀夫の記事を書こうと思ったが、気が萎えたので『埴谷雄高』のことを書く。 ここで述べるのは、『闇のなかの黒い馬』という彼唯一の短編集。(『虚空』は短編集ではないだろう。そして当然『死霊』など扱えない、通読していない。) 彼は徹頭…

詩人『吉岡実』!

国内の詩人で、いまだに好きなのは『吉岡実』。詩について述べるは容易ではないので、ここでは彼の詩をそのまま幾つか紹介しよう。 1 四人の僧侶 庭園をそぞろ歩き ときに黒い布を巻きあげる 棒の形 憎しみもなしに 若い女を叩く こうもりが叫ぶまで 一人は…