「異色作家短編集」−『赤い影』を観てデュ・モーリアを読もう
『異色作家短編集』をこれから不定期に取り上げていきたい。最初はマイナーな「デュ・モーリア」*1を選ぶ。デュ・モーリアといえば、ヒッチコックの「鳥」&「レベッカ」の作者として余りにも有名だが、本来彼女の作風はサスペンスではない。どちらかと云えば”英国ゴシック・ロマン作家”の作風だった。が、彼女の作品には特異なものも多い。「異色作家短編集(旧版)」に選ばれたのがその証拠。この旧版は長らく絶版で、神保町でも高値だった。そして早川書房が2005年度版*2の異色作家短編集をニューヴァージョンとして再発売。
2005年度版の異色作家短編集にはデュ・モーリアの『破局』が含まれている。収録作は、「アリバイ」、「青いレンズ」、「美少年」*3、「皇女」、「荒れ野」、「あおがい」の六作。どれも彼女の作風がよく表れている。
意外な展開とか、サプライズエンディングは無い。ただ、”周囲との齟齬”、”雰囲気の微妙な差異の恐怖”。じわじわと伝わってくる戦慄感だ。
- 作者: ダフネ・デュモーリア,Daphne du Maurier,吉田誠一
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 単行本
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さて、ここで彼女の作品で映画化された『赤い影(Don't Look Now)』に注目したい。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2005/03/04
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(前後削除しました)
P.S.監督の「ニコラス・ローグ」ってあの「地球に落ちてきた男」の監督だったとあらためて知った。オマケ動画としてこれもUP。「David Bowie」主演も失敗作(だと思う)