「このミステリがすごい」&「20世紀の幽霊たち」

そろそろ各ジャンルで今年のベスト10とかが発表される時期になった。
(出版社の思惑が働いていると知りつつ)「このミステリーがすごい!」の2009年版を読む。
海外部門のBest1は『チャイルド44』。これについては、異論はない。

チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

(参考:Gay novelist's debut Child 44 nominated for prestigious book award - PinkNews · PinkNews)

2位の「フロスト気質」は、相変わらずという感じで食指が・・・。

驚いたのは、4位の『二十世紀の幽霊たち』だ。

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

これは、「このミス」を読む前に、本屋でみかけて「ブラム・ストーカー賞」、「英国幻想文学賞」、「国際ホラー作家協会賞」受賞との帯解説に惹かれて、即買った。
買ってから知ったのだが、この作者『ジョー・ヒル』は『S.キング』の息子なのだ。
下のが「ジョー・ヒル(Joe Hill)」。お父さんそっくりだ!

小説や文学のジャンルに限っていえば"親の七光り"は通用しない。相当苦労しただろう。

"My real secret to keeping a low profile was failure," says Joe Hill, whose full name is Joseph Hillstrom King.

Heir apparentより

とにかく個々の作品の解説などしない!読めば分かる!
一読(といっても厚い)して、まだ興奮さめやらぬ。

ホラーや怪奇幻想文学を愛する総ての読者に、次の言葉を捧げて、この解説の締めくくりとしたい。
さあ、一刻も早く、ジョー・ヒルを体験し、新たな時代の幕開けをすべしと―

東雅夫の解説より

いつか"S.キングの息子のジョー・ヒル"というレッテルが消え去り、"ジョー・ヒルの父親のS.キングってホラー作家だったらしいぜ"という日もあり得るかも???

P.S.この日本で出版された小学館文庫版、「20世紀の幽霊たち」はイギリスで出版された作品集に、アメリカで別に出版された作品を加えたもの。翻訳者によると「原著以上に充実した"決定版"」とのこと。確かに分厚いが、充実なんてものじゃない(大袈裟ではなく)。
また、これが初邦訳ではなくて『ハートシェイプト・ボックス』というのも出ているらしい(早速買ってみよう)

ハートシェイプト・ボックス〔小学館文庫〕

ハートシェイプト・ボックス〔小学館文庫〕